若手医師・学生の方へ

 心臓血管外科は他科と比べて手術のリスクも高く、患者さんが重篤な状態のことも多く、確かに重責を負っての仕事です。

 しかし思い返せば多くの方は「病気で本当に困っている人を救ってあげたい」という純粋な動機で医学の道を志したのではなかったでしょうか?手術は直接的な治療行為であり、深刻な病状の方が手術によって癒され、喜んで退院されるとき、手術をさせていただいた私たちも心からの喜びに満たされます。 私たちは、心臓血管外科は医師としての職業人生をかけるにあたいする、非常にやりがいのある分野であると誇りに感じ、この分野を選ぶ若い方が増加することを願っています。

 総合医療センターの心臓血管外科は、周辺領域まであれもこれも担当している他の多くの心臓血管外科とは異なり、主に成人の心臓と“胸部”大動脈の手術に特化した、極めて専門性の高い部門です。将来この分野で働くことを考えている方に、以下の理由から当科をお勧めします。

 
1.小人数の医局でこそ充実した経験が出来る
 

 大人数の医局で起こりがちなことは、症例が人数割りになる ために、意外に担当数が少なくなり、さらにチーム内に年長者 がいると、手術に入っていても実際には見学に近い状態になって しまうことです。年長者が次々栄転してくれれば、それもそのうち 解消するでしょうが、なかなかそうも行きません。
現在、心臓血管外科が1チームしかない当科では、頻繁に第一 助手になりますし、基本的にすべての手術に深くタッチします。

 
2.高い専門性こそ理想的
 

 一人の医師が、周辺領域まで含めたすべてを診療する時代は、はるかに過ぎ去っています。心臓と胸部大動脈の外科は専門性の高い分野で、担当医は他科の医師では全く不可能なくらい、この分野の細部にまで精通している必要があります。

 小児、殊に乳幼児の心臓外科はさらに特殊な領域で、疾患も多岐に亘り、小児心臓のみを専門にする医師が担当すべきですし、末梢血管診療にも末梢血管診療の特殊性がかなりあり、到底、心臓や大動脈の診療の片手間に診療すべきものではありません。

ペースメーカーも、カテーテル焼灼術などの技術を持つ医師が、治療選択肢の1つとして担当する方が望ましいと考えます。いずれの領域も、それに精通し、責任を持って患者さんの診療ができるためには、かなりの年月と経験を要します。

 周辺領域まですべて担当する部門で研修する場合、例えば心臓を専門的に研修したいので末梢血管はノータッチ、というわけには普通はゆきません。色々な疾患や患者さんに遭遇しうる一方で、単に見た、触れた、で終わってしまい、忙しく走り回った挙句、結局あまり修得できない可能性が高いのです。
将来内科に進む方が正常分娩を研修で1-2例経験しても殆ど意味がないのと、広い意味では同じです。
勿論、周辺領域の知識は必要ですので、自身の専門分野についてある程度のレベルに達したうえで、一定期間、周辺領域を専門とする部門にローテーションするのが理想的だと私たちは考えます。
総合医療センターには、そのような各部門とシステムが揃っています。

 
3.若手に積極的にチャンスを与える体勢
 

 謳い文句はともかく、実際は「若手はお膳立てのそのまたお手伝いのみ」の心臓外科もあると聞きますが、当科では伝統的に、若手を指導してどんどん機会を与える方針です。
胸骨正中切開はもちろん人工心肺装着なども、早い段階で独力で実施できるようになります。
詳細は修練プログラムなどを御参照下さい。

 
4.適度に田舎、適度に都会
 

 都会には心臓血管外科施設が多数あって分散されるためか、特に緊急疾患が、発症頻度が同じと仮定した場合の推定数と比べ、意外なほど経験できないのが実情です。
当科の手術症例の1/4内外が狭義の緊急症例(24時間以内の手術・挿管状態・ショック状態)であり、偏らない経験を積むことができます。
一方、極端な田舎で重責を担って働く時、「生活の全てが仕事」と化すのも事実です。

   
病院遠景
ドクター・ヘリ
 
週間スケジュール
 
午 前
午 後
回診・手術
手術
回診
回診・病棟
病棟
回診
回診・病棟
術前カンファレンス、抄読会
病棟
(外来)
回診
回診・手術
病棟
回診
内科との合同カンファレンス(17:30)
回診・病棟
病棟
回診
回診・病棟         (外来)
病棟
回診
 

 月曜~金曜は朝7:30から、土曜は8:30から回診が始まります。
夕方の回診時刻は不定ですが、安定していれば17:00には始まることもあります。緊急手術が入れば、全く上記とは異なります。手術日は、少なくとも1人が当直します。土曜の解散時刻は不定です。日曜・祝日は交代制です。